2015年3月28日土曜日

教育のこと

まもなく、英語の第一モジュールが終わります。
一か月、あっという間だったなぁ。
第一モジュールは簡単だから"赤ちゃんモジュール"なんて言われていて、確かに抱えきれないような宿題が出されたわけではないけれど、それでも日々噛み応えのある授業でした。

今週のListening&Speaking ではテーマが教育なのもあって、とっても面白かった。
授業の導入ではTED talkから再生回数第一位のSir Ken Robinson "How schools kill creativity(学校教育は創造性を殺してしまっている)を聞きました。


こてこてのイギリス英語にもう泣きそうだったけれど、これからイギリス人の先生にもたくさん会うだろうから慣れなければ…

表題の通り、彼の主張はいかに現在の教育システムが子どもの持つ創造性や可能性をないがしろにしてしまっているかということ。ウィットに富んだ語り口だけれども、具体例とともに展開する彼の的を得たトークは、さすがNo.1 TED talkだけあります。
これを元にクラスメイトたちとディスカッションをしたり、ロールプレイングをしたりしました。

各国の教育システムについて意見交換をしているとき、興味深いことはいくつもあったんだけれど、一番衝撃的だったのはカンボジアのクラスメイトがシェアしてくれた話。
カンボジアはとにかく留年や退学率が高く、その理由は貧困や学校へのアクセスの難しさもあるけれど、大きな理由のひとつには教育の重要性を認識していない親が多いということ。そしてその背景にあるのが、1970年代のジェノサイドも含むポルポト政権の歴史。ちょうどそのころに子どもだった人たちが、いまの子どもたちの親になっている。

後でちょっと調べてみたら、ポルポト政権時代には学校教育が廃止されて、医者、教師、技術者などの知識人を次々と処刑したのだとか。学校に通ったことの無い、というかそもそも知識を持つことが悪だという社会のなかで子ども時代を過ごしたら、自分の子どもを学校に通わせようだなんて思わないのも無理はない。


国によって教育システムが抱えている問題はそれぞれで、日本と他の国とを一概に比較なんてとてもできないんだけれど、それでも教育ってそもそもは子どもが独り立ちできるように、ちょっと長く生きている周りの大人がサポートしていくことなんじゃないかと思う。机にかじりついて知識を吸収させることが教育じゃない。そしてその概念はきっと、言語も文化も価値観もわたしと全く違う社会でも同じなんじゃないかな。そうであってほしいな。クラスメイトたちと話していて、それを強く思ったのでした。



2015年3月18日水曜日

みんなそれぞれ

今週からがっつり英語の授業がはじまりました!
ありがたいことにたくさん教材もいただきました…こんな厚み久しく見てない...まあ13人分だけどね。



いまはインドネシア、カンボジア、タイ、ベトナム、ラオス、そして日本から来たクラスメイトたちと一緒に学んでいます。修士課程の授業に備えての英語の授業なんだけども、実際はみんな、もう普通にぺらぺら英語話せるんだよね。

授業はReading&Writing, Listening&Speakingの大きく2つに分かれていて、朝9時半から夕方4時半までとみっちり。でも毎日あっというまに過ぎてる...
いまはどちらの授業も文法どうこうとかよりも、"話すこと"がすごく求められているな〜と感じます。授業中の発言とか、グループでのディスカッションとか。

授業ではクラスメートそれぞれのキャラクターがでていておもしろい。
すっごくおしゃべりな子、マイペースな子、ぽつんといいこと言う子、自分をしっかり持ってる子、、、
グループワークとか特に、それぞれの個性が際立っていて濃いな〜って思う(笑)素直におもしろい!それからいろんな国の事情がわかるのも、このインターナショナルな環境ならでは。

きょうのListening&Speakingの授業のトピックが「都市が直面している課題」だったんだけど、渋滞とかの交通機関に関すること、環境汚染や公共サービスの質の乏しさ(教育施設とか病院の不足も含めて)とかは国は違えど同じ課題。でも一方で、日本では普通になっているご近所付き合いの希薄化とか過度のストレスっていうのは他の国ではあんまり見られなかったりする。きょう同じグループだったベトナムの子は、首都ハノイ育ちのシティーガールだけど、ご近所付き合いの希薄化は全くないって言ってた。時々「結婚はいつするの?」とか個人的な質問をされたりするのがうんざりするほど、って(笑)


それから「都市での観光業によって引き起こされる課題」っていうトピックでも、観光開発による文化や環境の破壊や、都市の観光地化が進むにつれて観光客として来た外国人がそこで仕事を得て地元の職を奪っている、などなど、ユニークな視点の意見がたくさんあった。

英語はもちろんだけれども、どんなことが課題と思うのか、それがどうしてそう思うのか、自分なりの切り口を見つけ出すのがすごく難しいなと思う。
ぱぱっとずばっと意見を言えるクラスメートに刺激を受けつつ、アンテナいっぱい立てて自分なりの視点を磨いていきたいな〜というこのごろです。

2015年3月11日水曜日

はじまり

このブログではわたしが参加しているAsian Peacebuilders Scholarshipというプログラムでのフィリピン、およびコスタリカでの日々の生活について綴っていきたいと思います。
このプログラムは全額支給の奨学金を受けてコスタリカにある国連平和大学(University for Peace)で国際平和学を、そしてフィリピンにあるアテネオ・デ・マニラ大学で国際政治学を履修して、二つの修士号を取れることが大きな特徴です。そして日本だけでなくアジア諸国から参加者がいることもこのプログラムならではの点です。


そんなこんなで、フィリピンでの生活も二週目を迎えて、だんだん周りが見えてきました。



わたしの日焼けした肌色のおかげで、タガログ語で話しかけられるほど(笑)
連日のオリエンテーションやテストがようやく落ち着いてきて、明日からはいよいよ授業がはじまります。
とはいってもまだ修士課程の授業ではなく、これから3か月は英語のブラッシュアップを図ります。
なかなかのハードスケジュールが続きそうですが、充実した学習環境(2つのうち1つの図書館は5階建て…!)に加えて、日本と東南アジア五カ国から集まった同級生たちとの日々はもう既にとてもエキサイティング。
久々の学生生活、とてもたのしみ!